2018年度 経済産業政策の重点

「平成30年度経済産業政策の重点」の抜粋

目次

第一の柱:ConnectedIndustries等を通じたSociety5.0の実現

データの利活用を加速する

重要分野におけるビジネスモデル実証

①自動走行

※2020年までに無人自動走行による移動サービス、高速道路での自動走行実現
○2台目以降の後続車両が無人のトラック隊列走行について、高速道路等における実証を行う。また、遠隔監視下による管制自動走行について、高齢者等による利用に向けて、特定区間における実証を行う。
○車両外部からのサイバー攻撃への対応等の安全性を評価する技術に係る研究開発を実施。
-高度な自動走行システムの社会実装に向けた研究開発・実証事業費【37億(26億)】
●自動ブレーキなど一定の安全運転支援機能を備えた「安全運転サポート車」について、愛称(サポカー/サポカーS)、普及啓発ロゴを活用し、政府広報やホームページでの情報発信等を通じて、広く国民への普及啓発策を実施。

②ヘルスケア

※平成32年に健康寿命延伸産業の市場規模10兆円
○ウェアラブル端末等を活用し、個人レベルでの活動や健康・医療情報を収集・分析することにより、生活習慣病の予防・改善につなげるサービス・解析手法等を開発。
-健康・医療情報を活用した行動変容促進事業【9億(6億)】

③スマートホームなどパーソナルデータの実証事業・ルール整備

※平成31年度の本格的な市場創出を目指す
○家庭内の様々な機器がつながるスマートホームの普及に向け、住宅メーカーや家電メーカー、サービス事業者等の幅広い事業者間での実証を行う。
-IoTを活用した社会インフラ等の高度化推進事業【13億(15億)】

④電子タグの本格普及などによるサプライチェーンの最適化・消費の活性化

2025年までにコンビニの全ての取扱商品に電子タグを貼付すること(推計1000億枚/年)など、商品の個品管理の実現を目指す
○2018年を目処に電子タグを貼付した商品が流通する実験を開始する。
-IoT推進のための新産業モデル創出基盤整備事業【15億(8億)】

・コンビニ電子タグ1000億枚宣言

・電子タグについて

データ処理技術の高性能化を図るための次世代AIチップや、ロボット/ドローン、バイオ、宇宙などの研究開発

①革新的なAIチップ(※1)の開発などAI開発・実用化促進

○現場の機器(エッジ(※2))側でのデータ処理へのニーズが高まっているため、新たなAIチップの開発を支援。具体的には、2020年度サンプル出荷を目指したAIチップの開発や、2030年度実用化を目指した脳型コンピュータなどの技術開発を実施。
-高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティングの技術開発事業【100億(新規)】
-AIチップ開発加速のためのイノベーション推進事業【26億(新規)】
※1AIチップ…AI(人工知能)の特殊な演算処理を高速で行うことができる集積回路。
※2エッジ…ネットワークの末端。クラウド層だけで集中的な処理を行わず、末端のデバイス側を中心としつつ、クラウド側とも連携してデータ処理を行うことをエッジヘビーコンピューティングという。

②ロボット/ドローン

※国民の介護負担軽減等に資するロボット介護機器の市場規模、2020年に約500億円、2030年に約2,600億円
※ドローンを使った離島や山間部への荷物配送を2018年までに実現し、2020年代には都市の物流における活用を本格化、被災者捜索・救助を含む災害対応等にも活用
○カメラやセンサによる認識技術などロボット・ドローンに係る要素技術を開発。複数ドローンの運航管理システムの開発と福島浜通りでの実証を行う。
-ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト【32億(33億)】
-ロボット介護機器開発・標準化事業【11億(新規)】
○産総研・東大柏AI研究センターにおいて、ロボットが柔軟に作動するためのセンサ・動作技術等の次世代の中核的な技術と人工知能との融合に係る研究開発を行う。
-次世代人工知能・ロボット中核技術開発【74億(45億)】

③スマートものづくり

※2020年までに工場等でデータを収集する企業の割合80%、収集したデータを具体的な経営課題の解決に結びつけている企業の割合40%を目指す(2016年:それぞれ67%、20%)
●現場力の強みを活かしつつ企業や工場を超えてつながるために必要となる統一的なフォーマット(機器の性能等に係るデータプロファイル)の原案を2017年度中に作成し、2020年までに、国際標準化を目指す。
○IoTやロボットの中小企業への導入を推進するため、人手不足対策や技能伝承等の課題に応じた改善策や技術を伴走型で助言する専門人材の派遣を補助。
-中小企業・小規模事業者人材対策事業(スマートものづくり応援隊事業)【28億(17億)の内数】
○製造現場の技術者に必要となるデジタルスキルの習得やスキル転換に向けた人材育成プログラムを提供する事業者に対し、カリキュラム開発費用を補助。
-産学連携デジタルものづくり中核人材育成事業費【1億(新規)】
○次世代自動車等の開発加速化のため、産学官が連携し、車両全体の性能をシミュレーションできる共通モデル(ソフトウェア)を作成する事業者への補助を実施。
-次世代自動車等の開発加速化に係るシミュレーション基盤構築事業【10億(新規)】

④ヘルスケア/バイオ

※平成32年までに、5種類以上の革新的医療機器・システムを実用化

<ヘルスケア関係>

○個人差に応じて副作用が少なく効果が高い医療を提供する個別化医療の実現に向けて、抗体医薬のがん細胞識別機能を高める新たな技術等を開発。
-次世代治療・診断実現のための創薬基盤技術開発事業【70億(53億)】
○iPS細胞等を高品質かつ大量に培養する自動培養装置等を開発。また、内視鏡手術装置などロボット技術を活用した医療機器等を開発。
-再生医療等の産業化に向けた評価基盤開発事業【40億(25億)】
-未来医療を実現する医療機器・システム研究開発事業【48億(44億)】

<バイオ関係>

●今後急激な成長が見込まれる我が国バイオ産業の新たな市場創出を目指す戦略を本年度中を目途に策定。
○植物や微生物を用いた機能性素材等の効率的な生産に向けて、研究機関や企業が有する生物情報のデータベースを構築する。また、細胞に新たな機能を付加するためのゲノム情報を修正・加工する技術開発を実施。
-植物等の生物を用いた高機能品生産技術の開発事業【26億(21億)】

⑤宇宙

※宇宙利用産業も含めた我が国の宇宙産業の市場規模を2030年代早期に倍増(現在1.2兆円)
○政府が保有する衛星データの利用を促進するため、民間事業者が活用しやすい形に編集・加工した上で、原則無償でデータを開放。
-政府衛星のデータのオープン&フリー化及び利用環境整備事業費【13億(新規)】
○準天頂衛星を活用した渋滞緩和システムなど、衛星データと地上データを統合し課題解決を行うシステムの開発及び実証を行う。また、衛星データ利用拡大に向け、小型ロケット等を開発。
-衛星データ統合活用実証事業費【2億(新規)】
-宇宙産業技術情報基盤整備研究開発事業(SERVISプロジェクト)【4億(3億)】

データの公正な利用・官が保有するデータの活用

①データの不正取得等の禁止、標準必須特許に係る紛争解決
②工業標準をサービスにも対象拡大する法制度整備や、官民の標準化の連携による国際標③補助金手続き等の電子化、法人情報のオープン化など公的データの流通促進
○政府が保有する法人情報を一括検索、閲覧、取得できる「法人インフォメーション」を整備する。併せて、行政機関のバックオフィスの連携や手続の電子化(補助金申請、規制手続き等)に向けて実証を行う。
-経済産業省デジタルプラットフォーム構築事業【44億(5億)】

産業・個人が保有するデータのルール策定

<産業データ>

①事業者間のデータ協調・流通
②革新的なAIチップの開発などAI開発・実用化促進

<パーソナルデータ>

①個人起点のデータ流通・取引に係る制度整備(情報銀行等)
②スマートホームなどパーソナルデータの実証事業・ルール整備
③電子タグの本格普及などによるサプライチェーンの最適化・消費の活性化

多様な人材を育成し、活躍を促す

学び・育てる

①ITスキル標準の改訂
②「第四次産業革命スキル習得講座認定制度」の創設
③IT・ソフトウェアの専門人材の育成・起業支援(未踏プロジェクト)
④公教育における民間事業者の活用、ITを利用した教育手法(Edtech)の導入促進
●小学校におけるプログラミング教育を官民で推進する「未来の学びコンソーシアム」を活用し、2020年の「小学校でのプログラミング教育の義務化」に向けて、関係省庁と連携し、指導人材の育成・拡充を行う。
○EdTechや民間サービス活用の先進事例を創出し、学校教育における民間サービス等の普及に向けた標準や認証、評価手法等の創設を検討。
-学びと社会の連携促進事業【5億(新規)】
⑤社会人の学び直し・スキル獲得の促進
人生100年時代におけるリカレント教育(学び直し)の推進に向けて、産業界の今後の教育・人材ニーズを明確化し、教育機関のカリキュラムに反映するほか、教育機関と産業界が連携した教育プログラムを策定。
-学びと社会の連携促進事業【5億(新規)】
○賃上げ及び人材投資(新たなスキル獲得のための研修や社員の学び直し等)に取り組む企業に対して、所得拡大促進税制を拡充。

呼び込む

①産総研・東大柏AI研究センターでのAIとロボット・バイオ等の融合技術の実用化
②日本版高度外国人材グリーンカードの活用による受入れ
③政府機関を含む外国人材の日本での研修実施

生産性の高い働き方の実現

①職務や能力等の内容の明確化とそれに基づく公正な評価の推進
②女性等が活躍するダイバーシティ経営の促進
③テレワークの推進

企業と企業をつなぎ、革新を促す

生産性の高い事業分野への重点化

①産業競争力強化法など事業再編関連制度の見直し
②新たな規制改革手法(レギュラトリーサンドボックス)による新たなビジネスの創出
③企業と投資家間の対話促進によるコーポレート・ガバナンスの強化
④ベンチャー企業の成長段階に応じたリスクマネー・人材供給支援

サイバーセキュリティ

①電力・ガスなど重要インフラでのサイバー攻撃への脆弱性の評価の実施
②サイバー攻撃の予兆や被害情報に関する、省庁や業種を超えた情報共有スキー
③日米、日イスラエル等との連携強化等による人材育成
④サイバーセキュリティ産業における投資拡大支援

第二の柱:対外経済政策の展開

1.自由で公正な高いレベルのルールを通じた対外経済政策の推進
2.アジア等とのインクルーシブ(包括的)な成長に向けた取組
3.中堅・中小企業の海外展開支援/日本の魅力を活かす施策

第三の柱:産業安全保障の抜本強化/強い産業基盤の構築

1.機微技術管理に係る対応強化
2.サイバーセキュリティの強化
3.国民生活や産業を支える産業基盤の構築

第四の柱:中小企業等による地域未来投資の加速化

1.地域中核企業の発掘と支援
2.中小企業関連施策の展開

事業承継・再編・統合による新陳代謝の促進

 

○事業承継ネットワークの全国展開による事業承継診断(5年間で25~30万社)を実施。また、事業引継ぎ支援センターにおいて、人員拡充により相談窓口を強化し、後継者マッチング支援をワンストップで実施。
-中小企業再生支援・事業引継ぎ支援事業【75億(61億)】(うち、事業引継ぎ支援事業)
-事業承継・再編・統合集中実施事業【16億(新規)】
○親族内承継の促進策に加えて、中小企業のM&A(親族外承継)を支援する税制措置を創設。

中小企業におけるIT活用の拡大

IT等を用いた技術開発や生産性向上支援

○受注から入金までの決済業務等についてITを用いて効率化する実証を行う。また、中小企業がIoTやAI等の技術を活用した研究開発等を補助。
○法人情報等のデータベースとAPI連携した事業者に対する情報発信や補助金等の申請手続きの簡素化を行う。
-中小企業・小規模事業者決済情報管理支援事業【4億(新規)】
-地域中核企業・中小企業等連携支援事業【178億(155億)の内数】※再掲
-経済産業省デジタルプラットフォーム構築事業【44億(5億)の内数】※再掲

人材不足への対策

女性・高齢者・大企業ミドル人材・外国人等の外部人材の活躍支援

○人材不足の中小企業において、女性・高齢者・大企業ミドル人材・外国人等の人材活躍の可能性が高まるよう、中小企業へ専門家を派遣して人材活用に関して助言を行い、マッチングを支援する。
-中小企業・小規模事業者人材対策事業【28億(17億)】
○知見・人手の不足で悩む地域のスタートアップ企業に対して、外部の人材派遣企業等を通じ、ビジネスの第一線で活躍する大企業等の現役社員を派遣。※再掲
-地域創業活性化支援事業【10億(新規)】

第五の柱:環境・エネルギー制約の克服と投資拡大

1.エネルギー利用の低炭素化
2.エネルギーセキュリティの強化

福島をはじめとする被災地の復興加速

1.廃炉・汚染水対策
2.原子力被災地域の本格復興
3.東日本大震災からの復興に向けた取組

 

 

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